あんまり好きな作品ではないのだけど、いくえみ綾作品のドラマ化ということで
『あなたのことはそれほど』を観てみた。
料理を作ってくれたり、非常にマメな男性と結婚してそこそこ幸せに暮していたヒロイン（美津）が、
偶然初恋の人と出会い、不倫関係に陥るというお話。
別に原作に忠実に再現しろとは言わないけれど、そこ省いちゃうと初恋の人（有島）と
どういう関係だったかとか見えてこないんじゃないかなあってシーンがあった。
有島はあんまり美津のこと好いてはいなく、でも教室の机の中に入っていたプレゼントを
邪険に扱うわけでもなく、微妙な関係。
でも若さなのかな、なんとなく美津の部屋に上がっていたしてしまって。
そしてその後はほぼ美津のことを無視して転校する、だったかな、そんな感じ。
そこはドラマでは美津が有島を拒否して気まずくなって無視して、、ってなってるけど
あの突然いたしてしまったのは入れた方がお話に深みがでたんじゃないかなあと。
ドラマではあっけらかーんと恋愛してますが、原作では美津、有島の冷たい目を見て
前みたいになりたくない！って思ってますしね。
続いては美津。美津ってあんなにキラキラしていて純真だったっけかなと。
少女時代に2番目に好きな人と結婚すると占い師に言われ、１番目じゃないといやですぅー！と
怒ってはいたけど。
あんな運命運命言ってたかな。いや言ってたとしてもあんなに純真な感じでは
なかったような。もうちょっと現代風でドライな部分も持ち合わせてたような。
美津演じる波瑠さんが、いまいち弾けきれてないのかなあ。
そもそも前髪下ろしたスタイルじゃないし、美津。
髪型くらいって思うかもしれないけれど、私は外側から寄せていったらなんとなく
その役になりきれるような気がしている。
だから漫画原作の作品を実写化する時に、姿かたちを原作の登場人物に寄せていっている
ドラマは安心して観られる。コウノドリしかり、重版出来！！しかり。
あと美津の旦那、渡辺涼太。原作では肌がつやつやで、でもイケメンではない
「宝の持ち腐れ」と美津の同僚に言われている人。
ドラマでは東出くんがやっていて、えっとイケメンだよね？っていう。
途中から小熊ってあだなで美津と有島の間で呼ばれるんだけど、大熊だよねっていう。
でも東出くんは冴えない男性を演じてるなーと思う。
美津の不倫に気づいてどんどんおかしくなっていくという役どころだけど、狂気を出すのが
早すぎない？なんて。
まあそもそもドラマの美津は有島のことをずっと好きで、中学時代に腕をつかまれ「細いね」って
言われたことがうれしく、いつ会っても幻滅されないようダイエットにいそしむという設定だから
まあしょうがないのかもしれないけど。会ってもいないのに寝言で名前呟くか？っていう。
原作では再会してすぐいたして、それで寝言で名前呟いて涼太が気づいてキーッなんだけど、、
２話くらいから狂気出すぐらいが余韻があってよかったよーな。
まあこの涼太の狂気も目玉のひとつみたいな感じだからしょうがないのかな。
あと有島の奥さん、麗華。仲里依沙が演じると聞いて、えっ可愛すぎない？？って思ってました。
麗華さん、ひじょーに地味な人だから。目が細くて表情が乏しくて。
でもなんとなくハマってる気がしてきました。演技力なのかな。あと薄い化粧だからかな。
有島との馴れ初め話が好きだから丁寧にやってもらいたいな。やらないかな。
そして一番なんか納得いかないのは、会ったその日にラブホにいくあたり。
いや行ってもいいんですけどね。てか原作は飲みに行って次のシーンは事後でしたし。
どちらがラブホに誘ったかとかボカして、いきなりの事後がいいのに。
うわーこいつら最悪だって心底思えるのに。
ドラマでは美津が有島にラブホに連れ込まれて、悪いことしてるけど私ハッピー！みたいな
感じで、まあ原作もそういう流れだったのかもしれないけど、ぼかしてほしかったなあ。
ほんとにモヤモヤして嫌な気分になる作品が（褒め言葉です）ただのふつーの不倫ドラマになっちゃったね。
じわじわ怖いのに。これからも怖くなってゆくのに。
やっぱ美津が背徳感のかけらもない（見えてこない）のが問題なのかな。
まあいくえみ綾の作品は実写化向きじゃないと思うし、
普通に面白いと思ってる人もいるだろうから別にいいんですけど。
ちょっと何だかなって思ったのでした。
冒頭にあんまり好きな作品ではないと書いたのに、熱く（暑苦しく）語ってしまった、、
ドラマがすきな方、すみません。
まあ実写化が原作を超えられない（超える作品もあると思うけど）っていうのは定説だし
どうしてもしょうがない部分はあると思っています。
でもなー。なんかなー。そんな気分。
まあ観ないと思うけど。。美津の自分勝手さとかイライラするので。
